読めたら読んでね!

書けたら書くので!

2019年の年間ベスト本10冊:マーケ、経営書籍を中心に

2019年に読んだ本からベスト20冊を選びました。 昨年1年間で読んだ本は42冊。いちおうの年間目標を100冊にしているので全然未達なのですが、事業模索に必死で余裕ゼロだった2018年が28冊。精神的なゆとりがいくらか戻ってきた気はしています。笑 個人的には…

【書評】沼野雄司『ファンダメンタルな楽曲分析入門』

*1音楽の批評は敷居が高い。好き嫌いという主観的な価値判断を超えた、客観的な善し悪しの基準を持ち合わせていないからだ。そもそも客観的な判断軸なんてあるのか?そんな先入観を持っていたぼくのような人間に、本書はうってつけの一冊だった。ファンダメ…

【書評】アンソニー・フリン他『カスタマイズ ――特注をビジネスにする戦略』

先進諸国の消費経済はフォード車の同一モデル大量生産方式に始まり、高度経済以降はあらゆる製品で顧客層に合わせたモデルの細分化スタイルが一般化した。次のフェーズとして、いまや個々の顧客ごとに「特注モデル」を販売できる企業が急成長しているという…

【書評】上阪徹『社長の「まわり」の仕事術』

社長ではなく、直接的に事業を動かす「まわり」の人にフォーカスを当てたインタビュー集。実際のところ、世の中には社長の数よりもその「まわり」の人の数の方が多いわけで、共感できるポイントや参考になる点も多いのではないか。自分自身もまさにそのポジ…

【書評】杉井靖典『いちばんやさしいブロックチェーンの教本』

「ブロックチェーン推進協会」の副理事長による解説書。ブロックチェーンの仕組みと合わせて、ビジネス活用の事例を紹介する一冊だ。いちばんやさしいブロックチェーンの教本 人気講師が教えるビットコインを支える仕組み 「いちばんやさしい教本」シリーズ…

【書評】エドガー・H・シャイン『謙虚なコンサルティング――クライアントにとって「本当の支援」とは何か』

支援者(コンサルタント)として、相談相手(クライアント)の問題解決を実現するための条件を理論化した一冊。「問題を解きほぐす」営みに価値がある、という気づきを与えてくれる内容で、いわゆるコンサル業務に関わる人だけでなく、リーダーや教師、親な…

【書評】牧田幸裕『フレームワークを使いこなすための50問―なぜ経営戦略は機能しないのか?』

副題にあるとおり、本書は経営戦略をテーマとして扱う。それがなぜ機能不全に陥り、フレームワークを用いるとすればどのようなポイントを押さえればよいのかを指南する一冊だ。フレームワークを使いこなすための50問作者:牧田 幸裕出版社/メーカー: 東洋経済…

【書評】福田晃仁『DMPのしくみとオーディエンスデータの活用』

『データ・ドリブン・マーケティング』という本が一時期話題になったが、今や「データ・ドリブン」は経営の課題そのものになっている。その際、すべての前提となるデータ基盤を構成するのが「DMP(データ・マネジメント・プラットフォーム)」だ。DMPのしく…

【書評】マーク・ジェフリー『データ・ドリブン・マーケティング』

マイケル・ポーターは「模倣困難な活動の連鎖がもたらす戦略的優位性」について説いたが、データ・ドリブン・マーケティングはその重要な構成要素だと本書は主張する。ではマーケティング施策で成果を得るために、各種のデータを分析した後、どんな指標を追…

ブランディングの科学は可能か?@川上慎市郎、山口義宏『プラットフォーム ブランディング』

「ブランディングは難しい」。 ビジネスにおけるブランディングの重要性は理解しながらも、そう感じている人も多いのではないでしょうか。そもそも「ブランディング」とは一体なにで、自社(あるいは自分自身)についての好意的なイメージをどう形成したらよ…

千葉雅也×東浩紀「モノに魂は宿るか──実在論の最前線」:マルクス・ガブリエル他について #ゲンロン

3月末に「ゲンロンカフェ at VOLVO STUDIO AOYAMA #5」として放送されたイベント。前後半合わせて3時間を超える対談を、後日タイムシフトで視聴しました。genron-cafe.jpとくに後半の議論が面白かったのですが、前半部の千葉さんによるプレゼンは思弁的実在…

大澤聡×先崎彰容×東浩紀「日本思想」の再設定:前半部の要点まとめ #ゲンロン

「日本思想」の再設定 ──西郷隆盛と三木清から考える明治維新150年 3/13にニコ生で放送されたゲンロンカフェのイベントを視聴しました。明治維新以降の日本の状況について情報密度の高い議論が交わされ、めちゃくちゃ勉強になりました。前半部の議論だけです…

マロ。さん作「kindle highlight to WorkFlowy」でlocation要素を子階層化

Tak.さんの『アウトライン・プロセッシング入門』を読んだこともあり、WorkFlowyを本格的に使い始めました。まだまだ使いこなすというレベルには程遠いですが、すでに便利さを体感しているので、Pro版に移行し活用を進めています。アウトライン・プロセッシ…

ゴミ収集車に群がる私たち――異文化接触@台湾出張 その2

台湾に来て3週間が過ぎました。支社立ち上げの方は、煩雑な手続きにぐったりさせられつつも、おおむね順調に進んでいます。 現地の言葉もまだまだロクに話せず、街に出ればいまだ新鮮な驚きに満ちていて刺激の多い毎日ですが、このくらいの滞在期間ともなる…

ドラえもんと哲学書――異文化接触@台湾出張 その1

トラベルブック台湾支社の立ち上げ準備で現地まで出張に来ています。台湾はいま梅雨シーズン真っ盛りで高温多湿の蒸し暑い毎日。晴れ間がのぞけば猛烈な日差しが容赦なく肌を焼く、なかなかタフな気候条件です。それでも食べ物はおいしいし、暑さに文句を垂…

経営戦略の名著を教えてくれる本――『星野リゾートの教科書』

星野リゾートは旅館・ホテルの運営会社である。1904年、長野県軽井沢町で創業した老舗旅館「星野温泉旅館」がその前身で、4代目社長に就任した星野佳路(よしはる)社長は、独自の経営戦略で日本を代表するリゾート運営企業へと成長させた。星野リゾートの…

センスと創造性の理論――中山正和『カンの構造』書評

世の中にはセンスの良い人というのがいる。でもこの「センスが良い」とはどういうことだろうか? 別の言い方をしてみると、センスが良い人というのは、「カン」のいい人ともいえそうだ。『カンの構造』ではこの「カン」とは一体何なのかということを、脳の構…

マーケッターと職人のあいだで──〈中途半端〉な自分はどう生きるか

ゆーすけべー(@yusukebe)こと和田さんの記事に刺激をうけたので書こうじゃあないか。 クリエイタータイプは自分がこれからつくろうとしているモノを妄想して、それを自分の価値観でつくって動くモノが出来た時に達成感を感じる。それが一番やりがいを感じ…

【衝撃】ぼくたちの先祖は毎日、混浴風呂に入っていた!?――中野明『裸はいつから恥ずかしくなったか』

タイトルは釣りです。 というのこそ冗談で、今回ばかりは本気である。本書の探求は、江戸時代末期(1854年)に描かれた次の一枚の絵にたいする「違和感」からはじまる。 画像引用:PUBLIC BATH AT SIMODA. (下田の公衆浴場) - 日本の風俗 裸の男女が場をとも…

野心的な建築たち――五十嵐太郎『現代建築のパースペクティブ』

自身が建築家であり建築批評の領域でも活躍する著者とともに、日本国内の現代建築を「眺めて歩く」ことを意図したような一冊。商業施設を中心に東京都内の建築が淡々と紹介される序盤こそ退屈にかんじたが、地方建築、住宅、そしてクルマからみた建築とテー…

競争社会の課題と希望――ジョージ・ソロス『グローバル資本主義の危機』

画像引用:WSJ日本版 - jp.WSJ.com ジョージ・ソロス。金融取引の世界では知らぬ者のない成功者、伝説的なトレーダーである。彼の運営するファンドの扱う金額があまりに巨大であるために、ソロス氏の売り・買いの行動じたいが相場予測の材料となるほどで、「…

共感のネットワークを構築するために――ビズ・ストーン『ツイッターで学んだいちばん大切なこと』

SNSを身近なものとかんじるようになったのは、mixiが流行りはじめた10年ほど前だったように思う。その後、GREEやmyspace、そしてFacebook、LINEといくつかの人気サービスが登場するわけだが、mixiによって広められたSNSのイメージは大きく変化していない。10…

アジアの背骨とバッド・トリップ――中島らも『エキゾティカ』

『エキゾティカ』は、アジア各国をテーマにした中島らもの短編集だ。食事の描写が多いことに触れて、あとがきで著者は「それにしてもこれは腹の減る本だ」と短い感想を述べているが、どちらかといえばマリファナの魅惑に引き込まれる感覚の方が強かった。 エ…

人類の負の歴史と「軽薄」な観光の可能性について――『チェルノブイリ・ダークツーリズム・ガイド』

近年、観光のひとつのスタイルとして「ダークツーリズム」という考え方が注目されています。今回は哲学者の東浩紀氏が監修した本書に触れながら、ダークツーリズムについてすこし紹介してみようと思います。 チェルノブイリ・ダークツーリズム・ガイド 思想…

旅行ガイドブックの原点とその歩み――『「地球の歩き方」の歩き方』

海外旅行のガイドブックときけば真っ先にうかぶ「地球の歩き方」シリーズ。全250タイトル、年間発行部数800万部と、この市場では圧倒的なつよさを誇っています。『「地球の歩き方」の歩き方』は、「地球の歩き方」創刊メンバーである四人のインタビューを中…

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