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ゴミ収集車に群がる私たち――異文化接触@台湾出張 その2

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 台湾に来て3週間が過ぎました。支社立ち上げの方は、煩雑な手続きにぐったりさせられつつも、おおむね順調に進んでいます。 現地の言葉もまだまだロクに話せず、街に出ればいまだ新鮮な驚きに満ちていて刺激の多い毎日ですが、このくらいの滞在期間ともなると観光モードはひと休み。ふつうの「生活」が始まっています。

 

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 “1斤売り”というシステムの存在は知っていても、実際に立ち寄った果物屋で量り売りのルールが分からず、予想外にたくさん買ってしまうという月並みな失敗をやらかしたり、スーパーでネギやパクチーを買って来ては満足し、台湾製のインスタント麺とともに簡単な調理をしてみたり。と、どこからどう見ても日常生活という雰囲気。

 

 さて、生活(というか家事)において重要な位置を占めるのがゴミ出しですよね。とくに生ゴミ。日本でも夏場の生ゴミの処分には気を遣うわけですが、台湾は年中夏みたいなもんです。滞在1週間目で3匹のゴキブリを殲滅し、ムシ耐性も心なしか上がっていないでもない今日この頃ですが、出来ればお目にかかりたくないのがほんとの気持ち。そこで私は「ゴミ出しそびれない」ことを深く心に誓いました。 

 

台湾のゴミ出しイベント

 日本人にとってゴミ出しといえば、毎週決まった曜日、決められた場所に可燃・不燃・資源などと分別したゴミを出し、朝〜昼にかけてゴミ収集車がそれを回収するというのが一般的。

 一方、台湾でも可燃・生ゴミ・資源(不燃ゴミや粗大ゴミはまだ捨てたことがないので知らない)と分別はありますが、印象としてはけっこう大雑把。でもいちばん日本と違うのが収集の仕方でしょう。私たちがよく知っているようなゴミ収集場に置いていくやり方はしません。たしかにこんな暑い中に放置したらいかにもやばそうだし。

 

 ではどうするのかというと、台湾では毎日決まった時間に街のなかを巡回しているゴミ収集車に向かって、ゴミ袋を握りしめた人たちの方が近づいていき、順番にゴミを車へ投げ入れる。というやり方を採ります。

  

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 こんなかんじでポイッと。徐行してるとはいえ、走行中の収集車にゴミを投げ入れるのは地味に難易度高し。生ゴミはおじさんの横に置いてある樽へ捨てる(さすがに止まってくれます)。

 

 最初聞いたときには「マジかよ。色々むずかしくね?」と思ったのですが、収集車は「乙女の祈り」(テクラ・バダジェフスカ作曲)のオルゴールを大音量で鳴らして近づいて来るので、うっかり忘れるということはありません。むしろ、たとえ仕事の途中であっても、ゴミ出しに作業の中断を迫られるほど。

 

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 部屋のなかにいて、「あ、遠くから“ゴミの曲”が聞こえてきたな」と気づいたところで、さっとゴミをまとめて外に出る。このくらいのテンポで大丈夫なのだと、最近やっとコツも分かってきました。

 出し忘れまいと気負うあまり、「この界隈には18時頃にやってくるから」と聞いて18時すこし前に外へ出て待ち構え…なんてことをやっている人は、現地の生活に不慣れな私たち以外にはひとりもいません。巡回はそこそこ時間どおりですが、そこはあくまでそこそこ。“5分前行動”的なのはそれこそ時間の無駄です。

 

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 こちらは路地裏にて。わらわらと集まりゴミを捨てる人々の図。最近では現地のお父さんに「慌てず歩いて捨てられて、すっかり地元民だ」と褒められ、気を良くしている毎日です。

 

 いよいよ暑さも本格化の気配。熱中症気をつけます。

 

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